SQbase（エス・キュー・ベース、愛称「すくべー」）は、シンプルなサイト構成とサンプル コンテンツを組み込んだ Drupal のインストール プロファイルです。Drupal Meetup 豊田の書籍執筆活動で得られた知見に基づいて作成したものです。
まず、Drupal 9 が動作する LAMP スタックと Composer がインストールされた環境を用意します。 Vagrant と VirtualBox をお使いの場合は、ffdsm が利用できます。 以下、ffdsm を例にインストール例を示します。
SQbase のプロジェクトを取得します。
$ cd /var/www
$ git clone https://github.com/bkenro/sqbase.git sqbase取得したプロジェクトのディレクトリに移動して、依存パッケージをインストールします。
$ cd /var/www/sqbase
$ composer installサイトのインストール時に参照されるサイトエイリアスのファイルをエディタで開きます。
$ vi drush/sites/self.site.ymlプロジェクトのルートディレクトリ、サイトの URL、およびデータベース作成（sql:create）とサイトインストール（site:install）の Drush コマンドオプションが設定されています。 使用する環境に合わせて必要な変更を加えます。
drush/sites/self.site.yml
local:
root: /var/www/sqbase
uri: http://sqbase.internal
command:
sql:
create:
options:
db-su: 'dba'
db-su-pw: 'dba'
db-url: 'mysql://sqbase:sqbase@localhost/sqbase'
site:
install:
options:
db-url: 'mysql://sqbase:sqbase@localhost/sqbase'
locale: ja
account-name: 'admin'
account-pass: 'adminpass'
account-mail: '[email protected]'
site-name: 'SQbase'
sites-subdir: 'default'db-su と db-su-pw はそれぞれ、データベースの管理ユーザーのユーザー名とパスワードです。
db-url は作成するデータベースの接続情報を指定する URL です。
初期状態で文字列中に sqbase が 3 回出現しますが、最初がユーザー名、2 番目がパスワード、最後がデータベース名です。必要に応じて変更してください。
account-name、account-pass、[email protected] はそれぞれ、インストールする Drupal サイトの管理ユーザー（uid = 1）のユーザー名、パスワード、メールアドレスです。
site-name に指定した文字列は、インストールするサイトのサイト名になります。
必要な変更を加えたら保存して閉じます。
次に、サイトで使用するデータベースを作成します。
$ drush @local sql:create -y正常にデータベースが作成できたら、最後にサイトをインストールします。 drush site:install コマンドにインストールプロファイル名（sqbase）を指定してください。
$ drush @local site:install sqbase -y途中、ブロックが見つからない旨の警告が表示されますが、その後のステップでインポートされるので問題ありません。
You are about to:
* DROP all tables in your 'sqbase' database.
// Do you want to continue?: yes.
[notice] Starting Drupal installation. This takes a while.
[notice] Performed install task: install_select_language
[notice] Performed install task: install_download_translation
[notice] Performed install task: install_select_profile
[notice] Performed install task: install_load_profile
[notice] Performed install task: install_verify_requirements
[notice] Performed install task: install_verify_database_ready
[notice] Performed install task: install_base_system
[notice] Performed install task: install_bootstrap_full
[notice] Performed install task: install_profile_modules
[notice] Performed install task: install_profile_themes
[warning] The "block_content:babe213b-d722-4619-b414-dbe771a653eb" was not found
[warning] The "block_content:a2e01f8f-52cc-4841-b70e-f689fd602712" was not found
[warning] The "block_content:64e96fee-0b0d-4a42-b19c-33cbc01bae8b" was not found
[warning] The "block_content:fc628ea8-385d-47db-929c-9f254fe05ee1" was not found
[warning] The "block_content:ce5d94d6-6d91-42f0-ac9d-4324c437c7ed" was not found
[warning] The "block_content:96993c0a-ed1a-4c9e-ae2a-c066fdf1f226" was not found
[warning] The "block_content:b9cc58c2-8d88-478f-bfd3-b87de8602c3c" was not found
[warning] The "block_content:2bfd7917-dc97-4339-a797-76d5ae882068" was not found
[notice] Performed install task: install_install_profile
[notice] Translations imported: 8513 added, 0 updated, 0 removed.
[notice] Performed install task: install_import_translations
[notice] Performed install task: install_configure_form
[notice] Translations imported: 429 added, 677 updated, 0 removed.
[warning] No configuration objects have been updated.
[notice] Performed install task: install_finish_translations
[notice] Performed install task: install_finished
[success] Installation complete.以上で完了です。
Web サーバーの設定でプロジェクトの web サブディレクトリを Web ルートに構成し、対応する URL にブラウザでアクセスすると、初期構成のサイトにアクセスできます。
実際にインストールしたサイトの例はこちら：
Drupal のサイト構築トレーニングやサンプルサイトの初期構成など、どうぞご自由にお使いください。
このリポジトリには、DDEV で Drupal 10 プロジェクトを実行するための Dev Container の設定が含まれています。GitHub アカウントをお持ちであれば、GitHub Codespaces で SQbase のサイトを立ち上げることができます。
- GitHub の検索窓で
sqbaseと入力して検索し、SQbase のリポジトリを表示する。 - 「<> Code」をクリックし、「Codespaces」タブの「Create codespace on main」をクリックする。"Setting up your codespaces" というメッセージが表示され、Dev Container 環境のビルドが開始される。しばらく待つと、ターミナルで環境構築の前処理として DDEV の設定処理が実行される。
- ターミナルでプロンプトが表示されたら、
ddev composer installと入力して実行する。コンテナが起動し、ポートのフォワード設定が行われる。 - 終了後「ポート」タブで、「web https」行の「ローカルアドレス」列で「ブラウザーで開く」（地球アイコン）をクリックすると、コンテナ上のウェブサーバーに接続され、Drupal のインストール画面が表示される。あとは通常どおり Drupal サイトをインストールできる。
なお、SQbase には、Drush によるインストールを簡潔に実行するためのサイトエイリアスのテンプレートが含まれているので、このファイルを Codespaces の Dev Container 環境に合わせて調整して CLI から Drupal サイトをインストールすることもできます。
- 「ポート」タブで「web https」の「ローカルアドレス」列にある「ローカルアドレスのコピー」（上方向矢印アイコン）をクリックして、ポートフォワードされたサイトの URL をクリップボードにコピーする。
- Codespaces のエクスプローラーで、drush/sites/self.site/yml ファイルを開き、
rootサブキーを/var/www/htmlに、uri サブキーを 1. でコピーしたサイトの URL に、それぞれ変更する。 - さらに、
db-urlサブキー（2か所）の値をmysql://db:db@db/dbに変更する。 - ターミナルで
ddev drush @local site:install sqbase -yと入力して実行する。SQbase サイトのインストールが開始される。 - 終了するとプロンプトが復帰する。1. でコピーした URL をブラウザで開くと SQbase のサイトが表示される。
GitHub のアカウントとインターネット接続環境があれば Drupal サイト構築の実習作業を開始できます。
なお、実習が終わったら Your codespaces ページで「Owned by 〜」の一覧にある Codespace を停止（Stop Codespace）するか、もう使わない場合は削除（Delete）しておきましょう。Codespaces を無償で使える時間には限りがあるので、注意してください。
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