コンパクトで透明感を強調したデザインの一体型 40% キーボードです。バックライトを点灯するとケース全体が光ります。
一般にコンパクトとされるキーボードと比較してもかなりコンパクトなデザインになっています。
足プレートを組み合わせることで、 Cherry Profile のキーキャップなどと相性のいい 5 度の傾斜をつけることができます。
また内部の空洞を極力減らした設計により、音の響く空間が小さく、また重さも見た目以上にしっかりあるので、アクリルケースにしては音・打鍵感が良いです。硬さは一般的なサンドイッチ構造の自作キーボードと、金属プレートなどのしっかりした高級キーボードの中間くらいかなと思っています。個人的にはリニアスイッチと合わせて使っています。
一般的なキーボードのホームポジションが左寄りにある (右手小指の担当するキーが多い) のに対し、このキーボードは最上段を除いて左右対称の配置となっており、均整のとれたデザインになっています。減った分のキーは自作キーボードらしくスペースバーを割ることで補っています。最上段は一般的なキーボードと同じずれ方を再現するため左上にずれており、ノートパソコンなどの一般的なキーボードとの使い分けコストと、自作ならではの美しいレイアウトのバランスを意識した設計です。
また 2u 以上の長さのキーを使用せずに設計しているため、嫌な音の原因になりやすいスタビライザーが登場せず、パーツ選定で考えることがひとつ少なくなっています。
組み立てやすさよりも自己満足を優先して設計したので、初心者向けの自作キーボードと比較するとやや難しいです。またキーキャップも一般的なキャップセットだけだと必要なキーが揃わない可能性が高く、工夫する必要があります。2台目以降におすすめです。
キット
- 基板
- トップフレーム 2mm x 2, 3mm x 1
- トッププレート上 (3mm)
- トッププレート下 (2mm)
- ミドルプレート (2mm)
- ボトムプレート上 (3mm)
- ボトムプレート下 (3mm)
- 足プレート 三種類
予備部品
- トップフレーム 3mm x 1
- ボトムプレート上 2mm x 1
汎用部品
- キースイッチ, キーキャップ, ダイオード 1N4148w x41
- LED SK6812mini x67
- 2pin タクトスイッチ x1
- Pro Micro + コンスルー
- M2 ねじ 20mm (21mm) x13, 10mm x3, 8mm x3, 6mm x3
- M2 ナット x22
- 2mm 厚以上のゴムクッション x6 以上
ProMicro にあらかじめファームウェアを書き込んでおきます。
https://github.com/zk-phi/keyboard-buildguide-common/blob/master/firmware.markdown
こちら に私の使っているキーマップがアップロードされています。
make equilibrium:phi:avrdude
ProMicro を基板に連結するためのコンスルーを実装します。
https://github.com/zk-phi/keyboard-buildguide-common/blob/master/conthrough.markdown
このキーボードでは ProMicro を「部品面が内側になるように」使用します。
このキットはコンスルーの足 (ハンダ側) を切るかどうかで組み立て方が若干変わり、最終的なキーボードの厚みが 1mm 変わります。
私はコンスルーの足を切って 1mm 薄く組んでいますが、コンスルーの足を切って使って問題ないのかちゃんと調べていないので、心配な方は足を切らずに組んでください。
ダイオードを実装します。
https://github.com/zk-phi/keyboard-buildguide-common/blob/master/diode.markdown
表面実装部品は、ガイドの印から大きくはみ出して取り付けてしまうと「ボトムプレート上」と干渉してケースが組めなくなってしまいますので、なるべく丁寧に位置を合わせてください。
LED を実装します。
https://github.com/zk-phi/keyboard-buildguide-common/blob/master/neopixel.markdown
LED の実装順は Pro Micro 側上段のバックライト (背面実装・赤) からスタートして Z 字に降りていき、下段まで行ったらアンダーグロー (表面実装・青) で折り返すように進みます。
Pro Micro はコンスルー対応なので、逐次動作確認しながら進めていくのがオススメです。
最後にスイッチを実装します。
このキーボードではトッププレートを2枚使用します。基板、トッププレート下、トッププレート上をこの順に重ねて、スイッチで挟み込んでください。
基板とプレート、プレートとスイッチの間が浮かないように注意、しっかりスイッチを押し付けてください (0.4mm 以上浮いていると基板が「ボトムプレート上」に干渉する可能性があります)。
2枚のトッププレートの間は全てのスイッチを外さない限りもう触れなくなるので、間にホコリなどを入れないように注意しながら重ねましょう。
プレートを清掃するときはメガネ拭きやグラス拭きなどがおすすめです。ティッシュだと繊維が散らかります。また アルコールティッシュを清掃に使わないように注意してください 。プレートはアクリル製なので最悪ヒビが入ったりします。
角度を付けたい場合は、「ボトムプレート下」に足プレート3枚を、大きい順に取り付けます。
コスト削減の都合、アクリルは厚みに若干の個体差があります。キットに付属するネジはポリカネジ (予定) なので、ネジの長さがが余った場合はニッパなどで簡単に切ることができます。ゴム足をつけてもネジが机に当たってしまう場合は試してみてください。
ボトムプレート下、ボトムプレート上、ミドルプレート、実装済みの基板、適当な枚数のトップフレームを重ねてねじ止め
「ボトムプレート上」には 3mm, 2mm の二種類があります。コンスルーの足を切らずに組みたい場合は 3mm を、少しでも薄くしたい場合はコンスルーの足 (ハンダ側) を切って 2mm を選んでください。
トップフレームは見た目と打鍵音のためについているだけなので、好みや手持ちのネジの長さに応じて調整可能です。デフォルトでは 2mm x 2 + 3mm x 1 の3枚を想定していますが、好みの厚み、枚数を選んでください。
表面にくるプレート以外は分解しないと触れなくなっていまうので、極力汚さないようにしましょう。
- キーキャップはめてゴム足つければ完成
図ではゴム足が4つ付いていますが、実際に組んでみたところ4つだとアクリルがしなってしまったので6つ以上つけるのがおすすめです。